母乳とミルクの免疫力って違う?母乳の方が病気にかかりにくいってホント?
母乳かミルクか、どちらで育てるかはママの希望はもちろん、体調などの体の状態や育児の環境など様々な要因が関わっています。
例えば母乳育児をしたくても、産後の体調が優れず母乳が出にくかったり、お仕事の事情でミルクを使う必要があったりなど。
理由があってミルクを使っているけれど、「母乳の方が免疫力がつく」「病気になりにくい」と言われて心配になる方も多いでしょう。
そこで今回は、母乳とミルクでは免疫力に違いがあるのか、ミルクだと病気になりやすいのかについてご紹介いたします!
母乳とミルクだと免疫力か違う?
「母乳じゃないと免疫つかないわよ」なんて言葉をかけられること、よくありますよね。これって本当なんでしょうか?
ミルクだけでも元気に育つ!
母乳でもミルクでも赤ちゃんはしっかり育ちます!粉ミルクの栄養成分はとても優れているんです。
では、なぜこのような母乳へのイメージが根強くあるのでしょうか?
初乳に免疫成分が含まれている!
初乳とは、生後5~6日くらいまで分泌される母乳です。甘みが少なく塩けがあり、黄色っぽく粘り気があるのが特徴です。
その後10日くらい経つと、成乳とよばれるやや白っぽい母乳へと変わっていきます。
初乳には、なんと成乳の約100倍もの免疫力があるといわれています。それは、免疫グロブリンAが含まれているからなんです。
免疫グロブリンAとは特に免疫性が高い成分!
免疫グロブリンAには病原菌と戦う作用があります。ほぼ無菌状態のままの子宮から生まれた赤ちゃんは、初めて外界と触れ、様々な細菌にさらされます。初乳は赤ちゃんを助けてくれるんですね。
その他、次のような成分が含まれています。
- ラクトフェリン・・・免疫の調節や抗菌・抗ウィルス作用があり、腸内環境を良くして善玉菌をふやす
- 白血球・・・乳児の腸内に入って病原菌をやっつけたり、免疫に必要な酵素やたんぱく質を運搬する
母乳とミルクでは病気のかかりやすさが違う?
初乳は確かに免疫性が高いと言えますが、産後10日以降の成乳は初乳より免疫性は低下します。もちろん栄養価は高いです。それに対してミルクはどうでしょうか?
粉ミルクの成分もとても優れていて、成乳で育てた場合とほぼ変わらないようカロリーや栄養価が整えられています。そして、免疫についてもそれほど大きな差はありません。
免疫は母乳だけの力だけではなく、生きていくうちに身に付けていくもの。
生まれるとき産道を通って細菌に触れたり、生後院内で過ごす間、人の手に触れたり、家に帰ってからの毎日の生活の中で新しい細菌などが体内に入ってくるわけです。
はじめは大腸菌や球菌類が多く、授乳によってビフィズス菌、いわゆる善玉菌が増えます。粉ミルクにはビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖が含まれますので、腸内環境を整えてくれます。
また、赤ちゃんは生まれる前に胎盤を通してグロブリンGという免疫成分も、母体から受け継いでいます。それに加えて母乳やミルクによる栄養をつけて、毎日少しずつ免疫力をつけていくのです。
どのように赤ちゃんの体を守る?
消化管は体内にあるようにみえて、実は外界とつながっていて、常に外部のリスクにさらされている状態です。母乳は免疫成分によって病原菌から守りますが、ミルクだと守れないのでしょうか?
ミルクで育てると病気になりやすいという根拠はない!
ミルクには免疫成分はないとよく耳にしますが、最近は免疫性のある成分を配合した粉ミルクも出てきています。また、腸内環境を整えるのに役立つビフィズス菌を添加できる製品もあります。
したがって、ミルク育児の場合も免疫力を補う方法はありますし、母乳でなかったから病気にかかりやすいという明確な研究結果はないんです。
大人になってからの免疫力にも差は出ない。
母乳で育てると大人になってからも病気にかかりにくい、ともよく聞きますが、これも明確な根拠はありません。母体から受け継いだ免疫力は約半年くらい続きますが、ママがかかった病気にのみ対応すると言われています。
その後の病気に対する抵抗力は、母乳などからの免疫成分よりも、栄養をしっかりとって体力をつけることが大切。大人になれば、さらに食生活や生活習慣の積み重ねが健康を左右するようになります。
母乳かミルクかどちらで育てても多くの赤ちゃんが元気に同じように大きくなっています。心配しないで、あなたに合った方法で、赤ちゃんが喜ぶ方法で育児を進めていってくださいね!
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